食品表示を正しく知るために
食品表示に関するトラブル情報が後を絶ちません。
意図的なものから、ケアレスミスのものを含め、ほぼ毎日全国どこかで回収が行われているような状態です。
しかし、そもそも食品表示に関するルールが複雑かつ曖昧すぎる点も違反が続発する要因かもしれません。
たとえば、食品表示の例として以下のようなものがあります。
・食品包装の虚偽の表示を禁じた【食品衛生法】
・加工食品における名称・原材料名や賞味期限などの表示ルールについて定めた【JAS法】
・産地・品質・製法などについて、消費者の誤解を招く表示を禁じた【不正競争防止法】
・事実に基づかず自製品が他社製品よりも優れているように誤解される優良誤認などの表現を禁じた【景品表示法】
これらの法律はガイドライン的な要素が多分に含まれているため、企業に要求しているのは、「明確な根拠をもって運用すること」のみというのが実態です。
このため、一口に「表示」と言っても、法的に基準が定められているわけではありません。
例えば賞味期限の日付管理に関して、各社が自主基準を設けて実施していれば問題ありません。
会社によっては、品質的には3か月たっても問題ないものでも、販売上の理由等から賞味期限を1か月と定めているケースがなどがあります。
この場合、仮に1か月たって売れ残っていた場合に、自社基準に基づき確認をしたうえで、賞味期限を付け替える行為を行ったとしても、法律に抵触するわけではありません。
ただし、企業としてコンプライアンスの面を考慮すると、法律に違反していなければよいということでもないので、今後とも誤解のない表示作成にしっかりと取り組んでいくことが不可欠といえます。
しかし、日付管理の不備等が表示偽装として報道される場合、このような自主基準そのものを批判しているものが多くあります。
つまり、正しい情報と消費者が求める情報が一致していないのです。
その最たる例は、優良誤認表示のケースでしょう。
例えば、スーパーなどの食品売り場には「高血圧には○○が効きます」「疲れ目に効きます」などと言ったPOP表示が多数存在しています。
これらの表示は効果が検証済みである「特定保健用食品」以外は表示できません。
過度なPOP表示は優良誤認を与えるとして、景品表示法で規制されています。
優良誤認表示に該当するのは、商品・サービスの品質を、実際よりも優れていると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に優れているわけではないのにあたかも優れているかのように偽って宣伝する行為などです。
故意に偽って表示する場合だけでなく、誤って表示してしまった場合であっても、優良誤認表示に該当する場合は、景品表示法により規制されることになります。
昼のテレビ番組で夏ばてに効く食品などと放映されていますが、実際に売り場で、「夏ばてにおすすめ」などと表示してしまうと、違法になる可能性があります。
(実際に摘発された事例はないようですが・・・)
表示に関する報道を見ていると、正しく法律が理解されないまま、感情的な批判が多いことに疑問を感じることがあります。
しっかりとした企業であれば、表示に対して真摯に取り組む姿勢を見せています。
しかし残念ながら、消費者が望む情報は、マスコミ等に影響された誤った情報であることも多々あります。
その結果、優良誤認とされる表示が横行する状況も生み出しているように思います。
消費者サイドも正しく法律を理解する必要があるのではないかと思われます。
双方の理解促進によって、はじめて正しい表示が生まれてくるようのではないでしょうか。
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本ページでは、食品安全情報メールマガジンのバックナンバー記事を再編集して掲載しています。(2010.7.21「食品情報を正しく知るために」より)
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