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ISO22000の運用

ISO22000とFSSC22000の規格の違い


FSSC22000では、PAS220を参考にすることとされています。
PAS220は、ISO22000の欠点を補完する内容となっています。

PASの要求事項は、ISO22000の「7.2.3」をより具体的にしたものです。
7.2.3項は11項目ですが、PASでは15項目になっており、いくつかの内容が補完、追加されています。

◆ISO22000 7.2.3  ※一部略

 a) 建物及び関連設備の構造並びに配置
 b) 作業空間及び従業員施設を含む構内の配置
 c) 空気,水,エネルギー及びその他のユーティリティの供給源
 d) 廃棄物及び排水処理を含めた支援業務
 e) 設備の適切性並びに,清掃・洗浄,保守及び予防保全のしやすさ
 f) 購入した資材,供給品,廃棄及び製品の取扱いの運用管理
 g) 交差汚染の予防手段
 h) 清掃・洗浄及び殺菌・消毒
 i) そ族及び昆虫の防除
 j) 要員の衛生
 k) 適宜,その他の側面

◆PAS220要求事項

 4. 建屋の構造及びレイアウト
 5. 建物及び作業場のレイアウト
 6. ユーティリティー(空気、水、エネルギー)
 7. 廃棄物処理
 8. 装置の適切性、清掃・洗浄およびメンテナンス
 9. 購入した資材の管理
 10. 交差汚染の予防対策
 11. 清掃・洗浄及び殺菌・消毒
 12. 有害生物の防除
 13. 要員の衛生及び従業員用施設
 14. 再加工
 15. 製品のリコール手順
 16. 倉庫保管
 17. 製品情報/消費者意識
 18. フードディフェンス、バイオビジランス、バイオテロ

PASの「13」までは、7.2.3項の内容とほぼ同じです。

7.2.3項の最後は「K)その他」となっていますが、PASではこの部分(14〜18)が、具体的な要求事項となっています。

では、1つずつ見ていきましょう。


●14.再加工、15.製品のリコール手順

「14」「15」は、ISO22000の「7.2.3」にはない内容ですが、「7.10」の「修正、安全でない製品の取り扱い、製品回収」の内容を補完するものです。

ただし、ニュアンスが若干異なります。
7.10では、
「組織はCCPの許容限界を逸脱した場合、またはオペレーションPRPを逸脱した場合」
と記載されています。
これを解釈すると、CCPやPRPなど特別な箇所を逸脱した場合、と読み取れます。

ただし実際は、特別な箇所だけでなく不具合があれば製品回収するのが普通です。
あらゆる状況における再加工やリコールについて対処しよう、といったことが「14」「15」で記載されています。

ISO22000の7.10項は、もともと、ISO9001の「8.3」に該当するものが、「7.10.1」「7.10.3」「7.10.4」に分割されたものであり、かつ、取り組むべき事象が限定された内容になっています。

そこで、PAS220では、ISO9001の8.3項に近づけるべく、取組の範囲を全般的なものに広げています。


●16.倉庫保管

この内容は、「7.2.3 f)」の内容が分割したものです
新規項目に見えますが、内容的にはPASで新たに加わった項目ではありません。
ただし、購買先の評価や輸送車両の点検などが追加されています。


●17.製品情報/消費者意識

ここの内容は、PASで新たに加えられた内容だと言えます。
ただ内容としては、ISO9001における「顧客とのコミュニケーション」
に当たり、ISOとしては目新しいものではありません。
従来の内容をより具体的にしたものといえるでしょう。


●18.フードディフェンス、バイオビジランス、バイオテロ

今回、完全に初登場の内容といえば「18」でしょう。
「フードディフェンス」。この、耳慣れない言葉で悩むケースが多いようです。

フードディフェンスとは、製品を外部からの(意図的な)攻撃から守る、ということ。

従来、ISO22000などで食の安全を「守る」と言えば、「フードセーフティ」という用語が使われていました。
しかし、PASでは、自分たちが気をつけているにもかかわらず、外部からの悪質な攻撃(倉庫に忍び込まれて製品に有害物質を混入させられたりなど)にあうことを想定して、このような項目が追加されているのです。

このような外部からの攻撃から身を守るのも、食の安全のためにはもちろん大切ですが、実際には大変難しい問題でもあります。


このページの内容は、ISOコンサルタント 三村聡(有限会社アイムス代表)が執筆しているメールマガジン「食品安全情報」で取り上げたコラムを再編し掲載しています。(2011.6.13発行「ISO22000とFSSC22000の規格の違い」より

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