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PAS220の要求事項

FSSC22000では、PASシリーズを利用することとされています。
PASシリーズ中、食品製造・加工業を対象とした規格がPAS220です。

PAS220シリーズは、随時ISO化される予定です(PAS220→ISO22002-1、PAS221→ISO22002-2)

PASシリーズは、製造プロセス上の食品安全リスクの制御を支援し、(ISO22000要求事項7.2.3の)『PRP(前提条件プログラム)』の要求事項を明確にするために設計されました。

7.2.3項は11項目ですが、PASでは15項目になっており、いくつかの内容が補完、追加されています。


●『PAS220』要求事項
4.  建屋の構造及びレイアウト
5.  建物及び作業場のレイアウト
6.  ユーティリティー(空気、水、エネルギー)
7.  廃棄物処理
8.  装置の適切性、清掃・洗浄およびメンテナンス
9.  購入した資材の管理
10. 交差汚染の予防対策
11. 清掃・洗浄及び殺菌・消毒
12. 有害生物の防除
13. 要員の衛生及び従業員用施設
←  ISO22000 7.2.3の要求事項が具体化されている。 
14. 再加工
15. 製品のリコール手順
16. 倉庫保管
17. 製品情報/消費者意識
18. フードディフェンス、バイオビジランス、バイオテロ
 新たに加わった項目


PAS220の「13」までは、7.2.3項の内容とほぼ同じです。
7.2.3項の「K)その他」となっている部分が、PASでは具体的な要求事項(14〜18)として新たに追加されています。

以下、『14〜18』の追加事項について記載します。


●14.再加工、15.製品のリコール手順

「14」「15」は、ISO22000の「7.2.3」にはない内容ですが、「7.10 修正、安全でない製品の取り扱い、製品回収」の内容を補完するものです。ただし、ニュアンスが若干異なります。

7.10では、
「組織はCCPの許容限界を逸脱した場合、またはオペレーションPRPを逸脱した場合」
と記載されています。
これを解釈すると、CCPやPRPなど特別な箇所を逸脱した場合、と読み取れます。

ただし実際は、特別な箇所だけでなく不具合があれば製品回収するのが普通です。
あらゆる状況における再加工やリコールについて対処しよう、といったことが「14」「15」で記載されています。

ISO22000の7.10項は、もともと、ISO9001の「8.3」に該当するものが、「7.10.1」「7.10.3」「7.10.4」に分割されたものであり、かつ、取り組むべき事象が限定された内容になっています。

そこで、PAS220では、ISO9001の8.3項に近づけるべく、取組の範囲を全般的なものに広げています。


●16.倉庫保管

この内容は、「7.2.3 f)」の内容が分割したものです。新規項目に見えますが、内容的にはPASで新たに加わった項目ではありません。ただし、購買先の評価や輸送車両の点検などが追加されています。


●17.製品情報/消費者意識

ここの内容は、PASで新たに加えられた内容だと言えます。
ただ内容としては、ISO9001における「顧客とのコミュニケーション」に当たり、ISOとしては目新しいものではありません。
従来の内容をより具体的にしたものといえるでしょう。


●18.フードディフェンス、バイオビジランス、バイオテロ

今回、完全に初登場の内容といえばこの部分です。「フードディフェンス」、この、耳慣れない言葉で悩むケースが多いようです。

フードディフェンスとは、製品を外部からの(意図的な)攻撃から守る、ということ。

従来、ISO22000などで食の安全を「守る」と言えば、「フードセーフティ」という用語が使われていました。
しかし、PASでは、自分たちが気をつけているにもかかわらず、外部からの悪質な攻撃(倉庫に忍び込まれて製品に有害物質を混入させられたりなど)にあうことを想定して、このような項目が追加されているのです。

このような外部からの攻撃から身を守るのも、食の安全のためにはもちろん大切ですが、実際には大変難しい問題でもあります。


参考



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ISO22000のポイント』

  


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8ステップで効率的に進める ISO22000構築・運用マニュアル

  
発行:日刊工業新聞社
著者:三村聡