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ISOの運用ISO9001,14001の運用

ISO9001:2008版の対応策

2008年版の大まかな改訂内容

2008年版の改正では、規格要求事項の本文内における言葉の統一、修正にとどまりました。

注記が追加改正され、運用において混同が生じないように配慮されたものとなりましたが、要求事項そのものに大きく異なった点はありません。

したがって、2008年版向けの対応としては、下記のような注記追加項目について整理しておけば、特別な変更は必要ないと考えられます。

□アウトソースの定義が注記に更に明確にされているか、配慮されているか(4.1)

□インフラストラクチャーの支援業務(6.3c))に関わる部分は現状も適切か(情報システムの追加で影響は無いか)

□設計で管理すべき記録類は見直されているか(7.3.1)

□顧客の所有物に個人情報も考慮されているのか(7.5.4)

□監視・測定に関連するソフトウェアの確認に、注記の検証や構成管理が配慮されているか(7.6)

□顧客満足に注記のインプットを配慮されているか(8.2.1)

ただし、品質マネジメントシステムの構築運用に当たっては、序文等の文書が改正された点を理解しておく必要があります。


ISO9001:2008改訂ポイント1 『組織環境のリスク』

序文の改訂ポイントの一つは、考慮すべき項目として「組織環境のリスク」が初めて明記されたことです。

これまで、9001を除くその他のマネジメントシステム規格においては、『リスク分析』を構築の基礎としていました。

14001では環境、ISMSでは情報保護、22000では食品安全など、組織が周囲に与える影響を分析するのがリスク分析です。

それに対して、9001は業務の流れを整理して無駄を省くという『プロセスアプローチ分析』が主に採用されてきました。

ISO9001におけるリスクというと「品質クレームが発生したときの影響の大きさ」等などがあると思いますが、ISO構築の上でそれらを考慮することはほとんどありませんでした。

今回の改訂では、規格要求事項の本文そのものが改訂されたわけではないため、リスク分析という考え方が明確になったわけではありません。

しかし、序文のなかで、リスクも考慮すべきことが謳われた点は、単なる品質管理手法ではなく、ISO9001において経営管理手法としての役割がさらに高まりつつあることを意味するものではないかと考えています。


ISO9001:2008改訂ポイント2 「有効性の重視」

もう一つの改訂ポイントは、『有効性』が重視されていることです。

有効性とは『ISOをしっかり活用しているかどうか』ということです。

ISOとは『要求事項に適合しているか(適合性)』だけではなく、活用できているか(有効性)まで考えないと、意味がありません。

ISO9001を取得してもクレームが減らないという実態が数多く存在しているケースや、ISO9001の認証を維持することとより良いものを作り出そうという活動が一致していないケースなどが見られることから、ISO9001の有効性が問われるています。

今回の改訂において、本来ISO9001に含まれていた『有効性』という考え方が、従来よりも重視されていることは、『序文』における以下の文章の中にうかがえます。

「組織内において望まれる成果を生み出すために、プロセスを明確にし相互関係を把握し、運営管理すること」

という表現、これが新たに追加されたのです。

その他、『有効性』という言葉が見られるのは、以下の項目です。

(規格要求事項)
 ・5.5.3    ・5.6.3    ・6.1    ・8.1    ・8.4    ・8.5.1

(注記)
 ・8.2.3

『. 1』(一般項目)が目立ちますが、これは具体的な行動が伴うルールづくりが進まなかったためだと思われます。

そのため、規格ではプロセスの重要性は謳われているものの、審査等の現場では具体的な指摘につながっていない部分が見られます。

しかしながら、有効性は『ISO要求事項のため』『審査のため』だけではなく、『会社をよくしていく』ために欠かせないものです。

今後、有効性を重視するための取組みとしては、

8.2.3 プロセスの監視及び測定
8.4 データ分析

に注目していただきたいと思います。

『8.2.3』には新たに『注記』が加わっています。

従来、プロセスの監視項目は何のためにやるのかが不明瞭だったため、認証取得のために品質目標の達成状況の確認や指標設定をしているケースが多く見られました。

今回の改訂では、有効性の影響に応じて監視の方法及び程度を考慮することになっています。
決めたルールが適切に管理できているかという観点から指標を設定すべき、ということが明確になりました。

そして、有効性の基準を取り上げ、測定した結果を『8.4』で分析し、その結果によって予防処置などの事前対策をしっかりとります。

この一連の流れが、より良いものを生み出していくため改善活動、すなわち『有効性の重視』ということになります。



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このページの内容は、ISOコンサルタント 三村聡(有限会社アイムス代表)が執筆しているメールマガジン「マネジメントのマメ知識〜ISOを活用しよう」で取り上げたコラムを再編し掲載しています。(2009.1.28、2.26発行「ISO9001:2008版の対応策(全2回)」より)

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