「新型インフルエンザ」対策 事業継続計画(BCP)とは
企業の新型インフル対策として注目されているのは、大量の急病者がでた場合に、事業を継続していくための対応策を事前に取り決めておくための仕組み『事業継続計画(BCP/Business Continuity Plan )』です。
ただ、新型インフルエンザ対策としてBCPが報道される際、感染拡大の防止という観点が優先され、事業継続という本来の目的が、やや薄れているような気がします。
これは、国が予防の観点から実施しているインフルエンザ対策と企業が事業継続のために実施すべき対策が混同しているためではないでしょうか。
もともとBCPとは、地震など事業を停止せざるを得ない緊急事態が発生した場合に、自社の役割に応じて、どれだけ早急に事業を回復できるかを想定するものです。
例えば、地震により部品メーカーの工場の生産ラインが損傷したため生産できなくなった場合、顧客はいつ頃までに供給が再開できるのか問合せします。
主要な部品が供給されないと、顧客の生産計画に影響がでます。
再開の目処が立たない場合は、他社からの供給も考えざるを得ません。
そのような事態になれば、部品メーカーにとっては地震の損害と顧客流出というダブルショックということになります。
このようなことを防ぐためにも、
・在庫を一定量確保する
・生産ライン普及に必要な人材を支援してもらう
・損傷設備の代替を貸与してもらう
など、緊急時が発生した場合の対応策を定め、協力体制を確立しておく必要があります。
現在、新型インフルエンザ対策として、例えば、従業員の家族に発症者が出た場合、その従業員からの感染拡大を防ぐため、1週間の自宅待機にするというルールを決めている会社が多いと思います。
しかし、自宅待機する人が増え、人手不足となり、生産ができなくなれば、それは企業の存続にかかわって来ます。
BCPでは、例えば、生産量を8割に落とすことを前提として、
・受注時に通常よりも納期が遅れることを説明する
・優先的に納品すべき顧客の選定
・計画的な在庫確保
などを決めておくことが求められます。
BCPの最大の目的は企業の事業継続です。
「企業の目的とは存続し続けること」とは、経営学の入門書的な本にも書かれているフレーズです。
企業の目的や存在価値とは何か、については、さまざまな定義がなされていますが、やはり「継続」だと思います。
普段の業務に追われ、利益確保ばかりに目を向けていると、企業の使命や目的などを忘れがちになります。
しかし、企業とは「社会のニーズを満たすために存在するもの」です。
だからこそ、社会のニーズを満たし続けるためには、存続し続けることが求められます。
自分の会社が、
「社会においてどのような機能を果たすべきものであるのか」
について、考えたことがありますか?
そして、その機能を果たし続けるために、どのような対応をとることにしていますか?
自社の使命を考えること、それがマネジメントシステムです。
このように、緊急事態への対策も含めて事業を継続させていくための規格として「事業継続マネジメントシステム」があります。
このページの内容は、ISOコンサルタント 三村聡(有限会社アイムス代表)が執筆しているメールマガジン「マネジメントのマメ知識〜ISOを活用しよう」で取り上げたコラムを再編し掲載しています。(2009.9.25「『新型インフルエンザ』対策』 事業継続計画BCPとは」より)
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