ISOマニュアルは規格要求事項どおりに並べるべきか
ISOマニュアルを作成する際、規格要求事項の順番通りに作るケースがあります。
このような方法でマニュアルを作成すると、いかにも「ISOのマニュアル」に見えるため、審査の際に審査員が楽、というメリットがあります。
しかし、メリットと言えばそのくらいです。
組織の人々は、社員は「マニュアル」に従って仕事をするのであって、「規格要求事項」に沿って仕事をするのではありません。
審査員の役目は、本来「マニュアル」が「規格要求事項」を満たしているかどうかを判断することであり、規格要求事項どおりに並べる必要はまったくないはずです。
たとえば、顧客関連プロセスは、一般的に以下のような流れになっています。
マーケティング活動
↓
営業活動
↓
引合
↓
見積
↓
営業活動(ネゴ)
↓
受注・契約
↓
製造(又はサービスの提供)
↓
引渡し
↓
アフターサービス
↓
満足度の監視
↓
データ分析
↓
マーケティング再構築
↓
営業活動
…と続いていきます。
これを規格要求事項に当てはめれば、
マーケティング活動(要求なし。あえて言えば5.4や5.6)
↓
営業活動(7.2.3a)
↓
引合(7.2.1)
↓
見積のレビュー(7.2.2)
↓
営業活動(7.2.3b)
↓
受注契約時のレビュー(7.2.2)
↓
製造(7.5.1)
↓
引渡し(8.2.4)
↓
アフターサービス・クレーム対応(7.2.3c)
↓
満足度の監視(8.2.1)
↓
データ分析(8.4)
↓
マーケティング再構築(要求なし。あえて言えば5.4や5.6)
・・・となります。
実際の業務の流れをそのまま規格要求事項に当てはめた例です。
業務の順番どおりマニュアルができあがっているため使いやすく、誰にでも理解しやすいマニュアルとなります。
逆に、規格要求事項どおりに並べた場合、実際に業務においてマニュアルを使おうとすると、ムリが出てくることがあります。
マニュアルは自分達が利用するものであって、他人の目を気にする必要はありません。
審査のため、ではなく、組織の人々自身のために、「どうしたら使いやすいマニュアルなるか」を考えてマニュアルを作り、運用させていきましょう。
| 上記の内容を再編し、補足、整理したものが、本になりました。 マネジメントシステムの原理原則〜品質マネジメント8原則で経営力を高めよう ISOの土台「品質マネジメント8原則」を徹底解剖し、組織の目指すものを確実に実行するためのシステムづくりの方法について、豊富な事例をベースにまとめています。 |
このページの内容は、ISOコンサルタント 三村聡(有限会社アイムス代表)が執筆しているメールマガジン「マネジメントのマメ知識〜ISOを活用しよう」で取り上げたコラムを再編し掲載しています。(2005.3.16発行「ISOマニュアルは規格要求事項どおりに並べるべきか」より)
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